ロートレック展
松本市美術館でロートレック展が開催されている。
私は1月末に訪問をしたのだけれど、記事を書けないまま1ヶ月が過ぎてしまった。

道路に面した印象的な看板。
今回の美術展は巡回展で、2024年6月からSOMPO美術館で、2024年10月から札幌芸術の森美術館で開催された展覧会だ。
アメリカのフィロス夫妻が所有しているロートレック作品を展示しているという話だが、ロートレックの紙作品の個人コレクションとしては世界最大級らしい。
今回の展覧会では、非営利かつ私的使用に限り、すべての作品の写真撮影が認められている。
メインビジュアルでも使われているポスター、「キャバレのアリスティド・ブリュアン(文字のせ前)」(1893年)。

このポスターを見て気付いたのだが、宣伝のメインビジュアルは、背景色を変えているのだね。緋色のマフラーの色をそのまま背景色にも使っている。
それで、実際の作品よりも強烈な印象になった。
有名な「ディバン・ジャポネ」(1893年)も、展覧会のメインビジュアルに使われている。

美術館入口の看板の側面に画像が使われている。やはり背景は緋色だ。
しかし、実物のポスターと比べると、なんでもかんでも背景を緋色にしてしまっていいものなのかと感じてしまう。

別に〝色を変えてはいけない〟と言いたいわけではないし、宣伝としては成功なのだろうと思う。批判ではなく単に、作品の印象が変わっちゃったよねと思っただけ。
個人的に印象に残ったのはこの作品。(作品の一部を切り抜き)
「アンナ・ヘルト(『女優大全』)」(1894年)というリトグラフなのだけれど、この顔が印象に残った。

今までロートレックについてはいくつかの有名な作品しか知らなかったので、今回の展覧会は面白かった。
私が見た時は「パルコポスター展 1969-2024」も同時開催していた。(こちらは2月9日で終了した。)

1980年代の、アートディレクターとかコピーライターが持て囃された、浮かれた時代の雰囲気も知っていたりして、なんか作品を見るというより昔の自分の恥ずかしいところを見せられている気分になってしまうのだね。
写真と絵という違いはあるし、ロートレックのポスターとは作られた時代も社会も全く違うけど、この展示があることによって、後世に残るポスターってどんなものだろうなどと考えたのだった。
ロートレック展は、4月6日まで松本市美術館で開催中です。
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