ウクライナのキーウに聖ソフィア大聖堂があります。(世界遺産としては「キエフの聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群及びキエフ・ペチェールシク大修道院」という長い名称になっています。)敷地内には大聖堂のほかにいくつかの建築がありますが、この鐘楼もその一つです。
高さ76mある現在の鐘楼は、18世紀半ばの建築です。
以前にあった木造の鐘楼が1697年に火災で焼失したあと、1699年から石造の鐘楼が造られ1706年に完成しています。ところがそれは建造後すぐに崩れ始め、1744年の地震で大きく崩壊してしまいます。地震後に再建されたのが現在の鐘楼です。
その後改築や補修を経て(頂部のドームは19世紀の増築らしい)、1990年に聖ソフィア大聖堂が世界遺産に登録されました。鐘楼は登録後も補修が行われています。
(キエフのラテン文字表記は通例「Kiev」でしたが、ウクライナ政府の指定では現在「Kyiv」になっているそうです。日本語表記もウクライナ語に沿った「キーウ」「キイウ」等の表記に変えるべきだという論議もありますが、まだ一般的になっていません。)
【追記】 2022年3月31日以降、キエフの日本語表記を「キーウ」とするよう日本政府が方針を出した。