鎌倉教会のポップアップカード

鎌倉教会も、1923年の関東大震災で倒壊してその後新たに建てられた建物だ。

これが現在の教会の姿である。
鎌倉教会のポップアップカードはもう10年以上前に作ったものだが、今回少し修正した。

それから竣工時には塔がなく、1985年(あるいは翌年かも?)に塔を増築したそうなので、増築前のカードも作成してみた。
こちらが増築前の姿である。
増築前の写真を1枚見つけたので、今回カードにしてみたのだ。

屋上部分にはなだらかな屋根が掛けられていたと想像して作成した。
教会なのでそこに十字架が取り付けられていたのではないかとも思ったが、写真では分からなかったのでカードには付けなかった。

関東大震災の時の鎌倉教会の被害は、1930年発行の「鎌倉震災」に書かれているのを見つけた。

それによると、日本メソジスト鎌倉教会(当時の名称)は教会堂と牧師館は全壊し、辛うじて婦人事業館のみが倒壊を免れたという。幸い死者は出さずに済んだ。
1923年9月3日に仮小屋を建てて避難所とし、9日に日曜学校を開いて礼拝説教を行なったそうだ。この時の献金は被災者救済費として役場に寄付した。
10月末に建物を建て、別に天幕も張って託児所・幼稚園を開始した。11月に仮牧師館を建築、1924年2月に婦人事業館を修復し、更に家政館・教職静養館を新築した。
そして1926年3月、教会堂の起工式を挙げ、9月末に鉄筋コンクリート造りの建物が竣工した。

教会を設計したのは、吉武長一(1879-1953)である。
山口県出身の彼はアメリカで7年間建築を学んだ人物で、1909年に帰国し海軍省嘱託となり、翌年村井銀行建築部長となった。1913年には独立して設計事務所を開き、村井銀行の本支店の設計を担当したほか、銀座教会・安藤記念教会(東京都港区)などの教会の設計もしている。

銀座教会は関東大震災で焼失してしまったが、安藤記念教会は今でもその姿を見ることができる。

【参考】
「鎌倉震災」(鎌倉町/1930年)