ポップアップカード(東京都の建物)

昨年の12月で、千代田区にある学士会館が老朽化のため閉館したそうだ。
そのニュースを見たので、学士会館のポップアップカードを作成した。

このカードは本館と新館の両方を含めて作った。
(私のサイトでは「本館・新館」と書くが、いくつかの新聞記事では「旧館・新館」と表記している。)

カードでは右側の本館は、1928年(昭和3)に完成した建物で、設計は高橋貞太郎が担当した。建築の中心となったのは佐野利器で、高橋は佐野の門下生であった。

カードの左側にある新館は、1937年(昭和12)に増築したものだという。こちらの設計は藤村朗が担当した。三菱の地所課の技師長で、後に三菱地所の社長(任期:1946~48年)も務めた人物だ。

学士会の発表によると、隣地も含めて再開発を行ない大型の共同ビルを建設するという。
学士会館については、新館は解体するが本館は残す計画だそうだ。本館を曳き家で移動し、耐震補強等を行なうという。
再開発事業は2030年頃までかかるらしい。
今年の4月から新館の解体が始まるそうだ。

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さて、今回メインサイトには、他にも東京の建物のポップアップカードを掲載した。

こちらは1923年竣工の丸ノ内ビルヂングだ。
三菱合資会社が建築したオフィスビルである。地所部の桜井小太郎が設計を担当したが、上に書いた藤村朗も関わった建物だ。
完成して数ヶ月で関東大震災が発生し、翌年までかけて復旧補強工事を行なった。
長い間「丸ビル」として親しまれてきたが、1999年に解体され、跡地には新しいビルが建っている。

最後は、10年も前に作成した旧救世軍本営のポップアップカードだ。

救世軍本営は先代の建物が関東大震災で倒壊したため、1928年に建てられたのがこの建物だ。
少し修正して作り直した。
この建物も今は存在しない。

というわけで、今回は新作2点、修正作1点の更新となった。
学士会館の型紙を公開したので、よろしかったらご覧下さい。