ポップアップカード:旧岐阜市公会堂

現在岐阜市美江寺町にある岐阜市民会館は1967年(昭和42)に建てられた。それ以前は,その場所には岐阜市公会堂が存在した。この建物である。

1921年(大正10)の市議会で建設が決定されたのだが,敷地問題のため着工したのは1927年(昭和2)になってからだった。設計は武田五一が担当した。完成は1928年4月だが、開館式は8月に行われた。
会議室が4室,地下室1室,広間1室,貴賓室1室があり、180坪の大講堂が設けられていた。大講堂には上部に傍聴席が設けられ,合せると約2,000名を収容できたという。

その公会堂のポップアップカードを作成したので紹介する。

【その1】一枚型紙
最初に作ったのがこのカード。

玄関が高い位置にあり,車寄せのスロープがけっこう急なので,スロープを作らないと雰囲気が出ないし、玄関の位置が高すぎるように見えてしまう。そこで、写真のように斜面を3段に分けて作成した。

これはこれで良いのだが,スロープを別パーツを使って組み立てたらより実物に近くなるのではと思い,そちらの型紙も作ることにした。
スロープなので斜めにパーツを配置することになるが、斜面は端を全てを固定してしまうと折り畳めなくなる。図の C 地点は,折り畳みの動きにつれて右へ動いてくれないと困る。

【その2】別パーツ利用(1)
では、Cがスライドするように溝を作ってはめ込めばいいのでは?と考えたのがこれ。
矢印部分をスリットに差し込んで前後に動くようにしておく。
左右にある小さな部品は,裏側に紙を貼った時にパーツが動くためのスペースを確保するため。

出来た。動きも大丈夫そう。これでメインサイトにも掲載できる。
…というつもりだったのだが。

しばらく写真を眺めていると,最初は問題ないと思っていたスリットがだんだん気に入らなくなってきた。やっぱりない方が良いですわ。
というわけで、ボツ。
でも出来あがった瞬間のうれしさのまま,インスタには既に画像を上げてしまっていた。(だからこのブログでも触れないわけにはいかなくなった。)

【その3】別パーツ利用(2)
スリットを使わないでスライドできるようにしてでき上がったのがこれ。
(こちらのバージョンは型紙公開しないので、ここのやり方は具体的に書かない。)
完成写真だと地面もスロープも真っ白で良く分からないので,裏から光を当てた写真を掲載した。

これで完成だと思い、開閉の動画を撮影しようとしたら…問題が発覚した。

左右のスロープを押し出す力は中央部の黄色い矢印のように伝わる。その時パーツの動きがやや固いせいで,反発する力がオレンジ色の矢印に加わり,左右の壁が歪んでしまうのだ。スロープはなめらかに動いてくれない。

さてどうするか。

まずは、パーツが動く時の抵抗を少なくするよう,裏側の形を調整。中央部分では(写真では見えない部分で)地面との連結を増やして補強した。
それから、写真の○印のところで壁を連結して少し補強し,正面階段は動きやすいように少し段を広げて前に伸ばした。

完成写真はこれ。メインサイトには動画も掲載しているのでご覧頂きたいが,自分は思ったより動きが少なくてちょっとがっかりしてしまった。

さて、壁の連結と階段の調整は良い感じだったので、1枚型紙の方にも取り入れた。メインサイトの写真は修正後の写真になっている。何回も制作して疲れたけど。

今年初のメインサイト更新となりました。今回は、最初に掲載した1枚型紙だけ公開していますので、よろしかったらご覧下さい。

【メインサイトのリンク】
旧岐阜市公会堂