旧格致学校(3)
坂城町にある旧格致学校を再訪した。以前は外観しか見ていないので、今回は内部を見学するつもりだ。
隣にある坂城町立図書館に申し出れば中を見学することができる。見学可能時間は10:00~16:00である。
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図書館のカウンターで申し込み用紙を渡されるので、それに記入して提出すれば中に入れる。入館料は無料だ。
手続きを終えて、建物の前にやってきた。玄関はアーチ型に縁取られ、少し奥に扉がある。
生徒は正面玄関ではなく、横の扉から出入りしていたらしい。
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建物の外壁は漆喰塗の白壁となっている。一階の壁の下半分は石積み風の模様になっているが、この部分は漆喰ではなく板壁に石積み風の模様を付けてあるようだ。
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玄関の内部。
内側のガラス扉は、移築後に新たに作られたものだろう。
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そのガラス扉を通ると、一階の廊下だ。
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玄関の奥(写真では右側)にある「面謁所」という部屋には、当時の学校の図面などの資料や、移築前の建物に使われていた釘や金物、古い窓枠や鎧戸などが展示されていた。
木製の鎧戸は移築前には一つしか残っていなかったらしい。今付いている鎧戸は全て移築後に作り直されたものだ。
これは別の部屋(教場)にある資料。当時の教科書などが保管されている。
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旧格致学校の建物は現在資料館として使われており、いまも資料収集をしているそうだ。格致学校で使われていたものだけでなく他の学校で使われていた教科書等の資料も収集しているという。
隣の部屋には、教科書だけでなく古い雑誌なども保管されていた。
ここは戦後の教科書のコーナー。
「JACK and BETTY」は、1954年から1971年まで使われた英語の教科書。
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これは別の部屋。ここの資料はおそらく坂城町立図書館の蔵書だったものだろう。
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廊下に出て、南側に移動する。
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南端の教場は「復元教室」として、机や椅子・オルガンなどが置かれている。
そろばんや蓄音機もあったが、立体日本地図は1970年代くらいのものだろう。
私は自分では確認しなかったのだが、ここの床下には炉があるそうだ。暖房用の囲炉裏だったらしい。
次は二階に行ってみよう。階段は玄関の奥の「面謁所」の横にある。
現在は途中に踊り場を設けて折り返して上がるようになっているが、明治時代の図面・移築前の図面を見ると、どちらももっと幅が狭いので、もとの階段は直線だったようだ。
資料館向けに上がりやすく改築されているのだと思う。
階段を上がって二階に来た。
ここは大広間になっており、移築前は試験場という名前だったようだ。
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この部屋には昔の生活用具などが展示されている。
奥にあるアルファベットのA字型の道具は、桑の根を抜く抜根機というもの。
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「忠君殉国」と「誉れの家」。
これは第二次大戦時、出征兵士が戦死した家の玄関に掲げられた木札だ。
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大広間の隣の教場には和(かのう)学校(東御市)や開智学校(松本市)など、長野県内の明治時代の校舎に関する展示があった。
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見学を終えて、玄関を出た。
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玄関を出て、建物の周囲も少し歩いてみる。
こちらは南側の壁面。この出入り口が生徒昇降口だったそうだ。
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最後の写真は、北側の壁面にある出入り口だ。ガラスに写っているレンガ模様は図書館の壁だ。
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この後図書館のカウンターに行き、見学を終えたこととお礼を伝えた。
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