大阪市電気局の建物(1)

まだメインサイトは更新していないのですが、ブログの方だけ更新です。
先日作ったポップアップカードです。

モデルは「旧大阪市電気局九条電灯営業所」。1932年の建築です。
大阪市電気局というのは、市営の電気供給事業でした。

1903(明治36)年に大阪市は市営の路面電車を開業します。その当時から、電気鉄道事業の発電余力を生かして、電灯・電力供給を行なえばいいのではないかと市は考えていました。

1923(大正12)年、大阪電灯株式会社(1888年設立)から電気供給事業を買収して、市が電力事業を行なうようになりました。この事業を所管したのが大阪市電気局です。

大阪市電気局は1928(昭和3)年6月に電気局庁舎本館の建設に着工、1930年3月に完成させています。写真の右側の建物です。

この写真の左にあるのが九条電灯営業所で、こちらは1932(昭和7)年に開設されました。

電灯営業所は、電気の新規契約やその工事・保守点検などの業務を担当していました。上の写真が掲載されている「電灯市営の十年」が出版された昭和10年当時は5つの電灯営業所があり、それぞれの区域に複数の出張所が設置されていました。(九条電灯営業所の場合は14箇所の出張所。)

九条電灯営業所の全体写真は、同じ書籍の中に次の写真がありました。

これらの写真を見ながら作ったのが、一番最初に載せた写真のポップアップカードです。

奥の方に塔屋がありますが、このポップアップカードで距離感を出そうとすると建物をかなり小さくしないといけなくなるので、割り切って奥行きは圧縮しました。

でも、このポップアップカードだと、建物の雰囲気があまり出せていない気がします。やはり側面の、面積が広い方向から作りたくなりました。

ただ、営業所と隣の建物と渡り廊下で結ばれていて、写真では奥の方の窓の数とかはっきり見えません。他の写真を探して同じ「電灯市営の十年」の中に次の写真を見つけました。

九条電灯営業所と本館の間にあった建物の屋上に「電化農園」が設置されている写真です。この写真の奥にあるのが九条電灯営業所です。でも建物の影になって、やはり1~2階部分は見えません。その代わり、塔屋の部分に扉がついているのが確認できました。

そこを見てしまったので、まず最初のカードを作り直すことにしました。窓の大きさもちょっと大き過ぎるように感じていたので。
塔の部分の扉の形は想像です。

修正版を作ってスッキリしたので、次は側面から見たカードを作ります。こんな感じになりました。

航空写真を見たら、建物の形は長方形ではなかったので、右側は屋根を少し削りました。

1974年の航空写真ですが、本館と営業所の間にある電化農園も写っています。いつごろまで農園として使っていたのかは分かりませんが。

カードの方ですが、塔屋部分の屋根を奥までつなげたくなかったので、今回は別パーツを用意して組み立てることにしました。何回か折り曲げて、窓の下の装飾凸部も表しています。

なお、1階部分に出入り口が3箇所ありますが、一番右は確認できなかったので想像です。

***

大阪市は戦時中に電気事業を国策会社の関西配電に移管し、1945年には大阪市電気局は大阪市交通局となります。

関西配電は戦後関西電力となり、この建物は関西電力九条営業所として使われました。解体された正式な年が確認できていないのですが、1989年という書き込みはネット上で見かけています。
1997年の航空写真ではもう別の建物になっていたので矛盾はしていませんが、どこかに明示されているなら確認したいところです。

ネット上であれこれ見ても、九条営業所の記事も写真も少ない印象です。旧大阪市電気局本館(戦後は大阪市交通局庁舎)の方はけっこう皆さん写真を掲載していらっしゃるんですけどねえ。

本館の方は2004年になってから解体されたとのことです。
次は本館のカードを作ります。

【参考】
「電灯市営の十年」(大阪市電気局編 昭和10年)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

6 − 3 =