旧札幌警察署のポップアップカード

8月の24日~26日頃は当サイトに普段の倍近くのアクセスがあった。どうもSNSで「折り紙建築」がちょっと注目されて、それで検索をして来てくださった方が増えたらしい。
パスワードリクエストが急に増えたので気付いた。でも、あっという間に元の水準に戻った。サイト更新をさぼっているのだから仕方ない。

このままではまずいと思い、気合いを入れて久し振りにポップアップカードを作ったので、ご覧下さい。

モデルは旧札幌警察署です。

北海道の建築を確認しているときに、いくつかのブログで「中央警察署は復元された」「解体復元された」とか「以前のデザインを再現した」と書いてあるのを見かけた。その時は以前の建物をまだ知らなかったので、私は「全く同じデザインでの再現建築なのかな」と思った。

ところが、旧庁舎の写真を見ると形が違う。再現建築かと思ったのは私の早とちり(いや、解体復元って書くはのおかしいでしょ?)で、実際には、「旧庁舎のイメージを残して設計された新庁舎」だったのであった。

1936年に発行された「札幌市写真帖」(札幌市発行)が国立国会図書館デジタルコレクションで見られるのだが、その中に札幌警察署の建物が載っている。

札幌市写真帖の表記は「札幌警察署」と書かれているが、現在の建物についての記事では「中央警察署」の語を使っているので、なぜそうなっているのか確認した。

この建物が建てられたのは1934年(昭和9)のこと。当時は「札幌警察署」だった。1949年に札幌市警察局を設置し、札幌市中央警察署と札幌市北警察署の2署制になった。ここで「中央」が名前に付くようになったのだ。1954年から正式名称は「北海道札幌方面札幌中央警察署」となる。1976年に札幌が政令指定都市となったときに、「北海道札幌方面中央警察署」に改称されたのだそうだ。
1996年に旧庁舎が解体され、1998年に、旧庁舎のイメージを生かした新庁舎が建てられた。

個人的には、一列に並んだ円窓は違和感があるのだけれど。
そんなことを思いながら、旧庁舎のポップアップカードを作ることにした。

解体時には中央警察署だったので、旧庁舎を「旧中央警察署」と書いてある例が多い。私は基本的には竣工時の名称を優先するので、「旧札幌警察署」と表記する。

窓は細かくした方が実際の建物の雰囲気が出せるかと思ったのだが、少々細かくしすぎたかもしれない。

今回一番作りたかったのは、玄関の円い庇部分である。
庇を出すだけなら、別パーツにしなくても出せるのだが、玄関の太い柱も特徴のひとつなので、その柱も絶対に作りたい。そこで庇を別パーツにして貼り付けることにした。

パーツを貼り付ける前のカードは、こんな状態になっている。ここに三日月型の庇を貼り付けた。

裏から光を当てた写真を見ると、円窓の上に庇を差し込んで接着した糊代が見える。
玄関の柱を残したおかげで、開閉も思ったよりスムースにできたので良かった。

ほかにもいくつかモデルにする建物を考えているので、もう少し他のカードも制作してからメインサイトを更新します。