旧片平橋
塩尻から木曽方面に国道19号を走る。鉄道で言うとJRの日出塩駅と贄川駅の間の話だ。
国道の桜沢トンネルには入らず、手前の信号を左に曲がる。こちらは旧国道19号線だ。
その旧国道を走っていくと片平橋という橋がある。写真は南西側から塩尻方面を見ている。
そしてこの近くには、片平橋ができる前に国道の橋として使われていた旧片平橋が今も残っているのだ。
周囲の状況。
桜沢トンネルが2021年に開通するまでは、ここは国道だった。
最初の写真の片平橋は1964年12月の竣功だ。
片平橋ができる前の国道を、現在の地図に記入してみた。
まずはA地点から確認してみよう。
A地点。急な上り坂がある。旧橋の高さは現片平橋よりも少し低いので、この坂を上ってしまうと橋には繋がらない。
一応上って見たが、道は少し右にカーブしながらどんどん標高を上げていく。旧片平橋は右下にある。
右側の土手を覗くと、はっきりしないが旧道の路肩が少し見えるように思った。
想像だが、鉄道工事のために旧道の上に盛り土をして坂を造ったのではなかろうか。
橋を見下ろす地点まで来た。写真ではよく分からないが橋は数メートル下にある。
ここは旧道ではなさそうなので、道を戻りB地点へ移動した。
B地点の少し手前の道路上から、旧片平橋が見えた。B地点で分岐して下る道があるのでそこを歩いて橋に近づいていく。
旧片平橋の手前まで来た。チェーンが張られ立入禁止の札がぶら下がっている。
橋の向こうは土手のような斜面になっており、旧道は埋もれてしまったように思う。
親柱の脇に説明版が立てられ、土木遺産のプレートも付いている。
書かれている文を引用する。
「土木遺産 (廃)片平橋
この橋梁は、国道19号の旧道であり、奈良井川を渡河しているRC開腹アーチ(リブ+柱)橋として昭和10年に建設された。
現在は廃道になっているが、橋梁としては健在であり、高度な技術が要求される構造である。特にアーチ部の曲線が美しく仕上がっている。
平成20年11月に土木学会推奨土木遺産として認定を受ける。
橋梁管理者 塩尻市」
昭和10年に造られた橋。
せっかくなので、頑張って川原に下りてみた。斜面が急なので下りるのはともかく自分の力では上れないのではないかと思ったので、立ち木からロープを垂らしてそれを使って川原に降りた。
ここからなら橋の姿がよく見える。
対岸の様子。
橋の真下から。
これ以上は川原を歩けないので、ここで引き返す。
最初に降りてきた場所に戻って斜面を登ろうとしたら、地面に足跡がついているのを見つけた。
動物の足跡ってよく知らないんだけど、二つに割れた蹄が見えるな。もしかしてイノシシか? それとも鹿?
こんな所でご面会したくないので、慌てて斜面を登った。
というわけで、旧片平橋の見学を終えた。
土木遺産に認定するのはいいんだけど、今後手入れをするのだろうか。
現役の橋なら維持管理はするだろうが、廃橋をどこまでメンテナンスするつもりなのだろう。
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