坂城町体育館
長野県埴科郡坂城町は、上田市と千曲市の間にある町だ。
その坂城町にある坂城町体育館が、今年度DOCOMOMO JAPAN により「日本におけるモダンムーブメントの建築」の一つに選定された。
長野県民としては建物を見ておかねばなるまいと、坂城町体育館にやってきた。
これが体育館だ。
体育館の設計は千曲市出身の滝沢建児(1927~2013)が担当した。(当時の事務所名は滝沢吉田建築事務所という名称だった。)
私が何回か記事を書いている旧更埴市庁舎も滝沢の設計だ。だから見に来ようと思ったのだ。
坂城町は1966年(昭和41)に坂城町文化センターの建設を計画した。
1968年に文化センター建設予定地を決め、まずは坂城町体育館の建設を始めた。体育館の起工式が1969年(昭和44)8月30日、竣工式が1970年5月30日だった。
建築当初は「坂城町文化センター体育館」で、現在は「坂城町体育館」と呼ばれているようだ。
1971年にはグラウンドも完成し、体育館の西隣には福祉センター(公民館)が建てられた。これらの施設が文化センターというエリアを形成した。
これはグラウンドの北側から撮影した体育館だ。
その右側に見えるのが坂城町福祉センター。現在は建物の名前は「坂城町文化センター」となっている。こちらも滝沢の設計である。
では体育館の方に行ってみよう。
こちらが体育館。建築面積は18,564平方メートルで工事費は8,950万円、施工は中信建設株式会社が担当した。
2022年度に耐震工事と大規模な改修が行われたばかりだという。
中ではスポーツをやっているので勝手に撮影するわけにもいかない。建物の外側だけ回ることにした。
道路沿いの東面。三角形のルーバーが並んでいる。
ネット上で以前の写真を見るとルーバーの色が違っているので、改修で塗り直したのかも知れない。
中央にAの字型の柱が見える。この上端に梁を通し屋根を構成しているようだ。
屋根は南北方向に5列の山を形作っている。(2枚目のグランドからの写真を見ると屋根の形が分かりやすいと思う。)
南東の角から。
このあと南側の道路を通ったが、木でほとんど建物は見えなかった。
道路を西へ進むと、坂城町文化センターが現れた。当初は福祉センターという名称だったが、公民館として使われたようだ。現在はどうなのか私は分からないが1970年代には結婚式場としても活用されたそうだ。
こちらが体育館の西面。
体育館の北側に回ってきた。
こちらが玄関。これで体育館の周りを一周した。
今回は建物の中に入らず外観だけだが、坂城町体育館を紹介した。
さて、体育館東側の駐車場からはこのような建物が見える。100mほどしか離れていない。
これは1877年(明治10)に建てられた旧格致(かくち)学校だ。
せっかくだからこの建物も見に行こう。(次回書く予定)
【参考】
「坂城町誌 下巻(歴史編2)」(坂城町誌刊行会/1981)
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