旧上田市立図書館

2021-03-20

前回のつづき)
徒歩で旧上田市立図書館にやってきた。
この時はちょうど前の道路の工事をやっていたので、歩道には看板やコーンが写っている。

左下で赤いコーンに挟まれている白い物は、この建物の案内表示板。1993年(平成5年)に設置されたものなので、「旧上田市立図書館(現石井鶴三美術館)」と書かれていた。この年の2月3日付けで上田市指定文化財に指定されている。

「旧上田市立図書館」という名称だが、始まりは上田男子小学校同窓会が建てた「明治記念館」という名前の会館だった。といっても当初から図書館として作られた建物である。
1915年(大正4)に建設され、1923年(大正12)に上田市に寄贈された。(市制施行で上田市になったのは1919年。)以後、上田市立図書館として1970年(昭和45)まで利用されていた。
その後は市役所の分室として使われた。

1985年(昭和60)には上田市に石井鶴三美術館が開設された。前の記事にも書いたが、1924年(大正13)に上田市で開かれた図工美術教育のための講習会に、石井が彫塑指導者として招かれた。講習会は以後46年間、彼が83歳になるまで続いたのだという。その縁でここに美術館が設立された。

しかし耐震性の問題から美術館は移転、2008年(平成20)に小県上田教育会館の二階へ移された。
その後はときどき単発の催しなどで使われるのみだったようだ。

それでもこの建物を活用したいという地元の意向はあり、2010年には〝市民と地域の交流発信サロン〟という位置づけで、施設を市から借り受けて「蚕都上田館」が開館した。市内の企業や大学、市民有志が集まって起こした「蚕都上田プロジェクト」という活動だった。

上田の製糸業の学習会を開いたり、交流イベントや展覧会を開催していたが、やはり耐震性の問題で2015年の5月に閉館した。

私は残念ながらこの建物には一度も入ったことがない。今後、入る機会はあるのだろうか。
2020年度の上田市の資料を見ると、上田市指定文化財のリストに名前は載っているので、活用を期待したいのだが。

建物の前を通ったことはあるが、今まで背面をきちんと見たことがなかった。裏側を見ようと回り込んだら、工事の看板が立っていた。この建物の工事ではなく、前面道路の改良工事の事務所のようだ。

見渡せる場所がないかと歩いてみたが、厳しそう。

これが精いっぱいかな。

再び正面側へ回ってきた。

凹凸の少ない壁面処理や浅い軒の出、マンサード屋根(勾配が途中で変化する屋根)など、建物全体が一つの面に包まれているような意匠、壁面の各所にはめこまれたパネルなど、19世紀末~20世紀初頭に世界のデザイン界を席巻した「アールヌーヴォー」の流れを汲む、長野県の代表例です。

…という文が、解説板に書かれていた。

この前面の道路を東(上の写真では右)に進むと、350mほど先に日本基督教団上田新参町教会がある。これは以前ポップアップカードにしたので、その写真も載せておく。
(メインサイトのリンクはこちら。)

上田新参町教会。

7年前に作ったカード。

建築

Posted by Sakyo K.