ポップアップカード:ナミビアの教会

ナミビアの建築のポップアップカードを作っている。
予定では数点のカードを作成してからメインサイトを更新しようと計画していたのだが、なにせ私は怠け者なのでなかなか進まない。
一つできたところでメインサイトを更新することにした。

これが今回のポップアップカード。

モデルは、ナミビアの首都ウィントフックにある、キリスト教会。

ナミビアは、1884年から第1次世界大戦までドイツの植民地だった。

19世紀末、ドイツ帝国は現在のナミビアにあたる地を「ドイツ領西南アフリカ」とした。
当時のナミビアでは牧畜を主体としたナマ人・ヘレロ人・ダマラ人、農耕牧畜を行なうオバンボ人などが住んでいた。
1890年代からドイツ人入植者が送り込まれ、彼らは土地を囲い込んで農場とした。さらに1897年~98年にかけて牛疫が発生し、生活を牛に依存するヘレロ社会は、9割以上の牛を失って大打撃を被った。
当時ワクチンが開発されたが、ドイツ人は植民地当局に協力的な首長を優遇してワクチンを使ったので、家畜を持つものと持たないものの格差は大きく広がった。

1904年、ヘレロはドイツ人に対して蜂起したが、ドイツ軍は〝ヘレロは一人残らず殺す〟という対応をし、数万人のヘレロが砂漠に追い込まれ餓死・渇死した。
また、ナマの人々も蜂起したが、ドイツは彼らを首都やハイフィッシュ島の収容所に送り、強制労働をさせた。(ヘレロ戦争)
この戦争でヘレロ人の80%、ナマイ人の50%以上が殺害されたという。

今回のカードは、ヘレロ戦争が終わった頃に首都に建てられた教会である。1907年に礎石が置かれ、1910年に竣工した。

型紙がダウンロードできるので、よろしかったらお使いください。

【メインサイト】
ウィントフック・キリスト教会

【参考】
「ナミビアを知るための53章」(水野一晴・永原陽子編著/明石書店/2016)