水が少ない山清路(1)

これは犀川にかかる橋の一つ、山清路大橋。2020年10月に竣工した新しい橋だ。

御曹子橋から南へ移動し、山清路大橋に到着した。

上の写真の撮影位置はここである。(矢印)

山清路大橋から西を見ると、1934年に架けられた山清路橋が見える。こちらの橋は現在は車は通れなくなっている。さらに西側にある新山清路橋(1967年竣工)が現在国道19号線として使われているが、ここからは見えない。

2021年5月に撮影した写真があるので比較用に載せる。
ダムに水がある時は両岸の岩は見えないのだ。

もうひとつ意外だったのが、ここから北アルプスが見えること。山に隠れて見えないと思っていたら、見えるんだね。

山の名前とか全然詳しくないので地図を見ての判断だけど、蓮華岳で合ってますか?

山清路大橋を渡って南側。以前は道路だったところを通行止めにして、遊歩道になっている。駐車場もある。

もともと車道だったので遊歩道として道幅は十分。岩が道まで迫っている。

新しい案内表示が設置されていた。(同じ表示板は山清路の数ヶ所に立てられている)
対岸に展望台があるので、登ってみることにする。

岩に何か文字が彫ってあるのが見えた。1928年、山清路が信濃十名所のリストに入った記念に彫られた句だという説明板が立っている。

山清路橋の近くまで来た。向こう側の道路が国道19号。この橋には自動車は入れないようになっている。

橋には、修復工事がなされた後に付けられたプレートがある。記載内容は「しゅん工 昭和6年3月/修復しゅん工 平成9年3月」であった。
戦前の雑誌「道路の改良」(昭和9年7月号)に「昨春来架設中の山清路橋は今回見事に竣工したので、6月15日盛大なる開通式が挙行された」とあるので、竣工は1934年だと思うのだが、どうしてこの表記になっているのだろう。
同時代の雑誌の記事が何年もずれることはないだろう。

橋の上から、東の山清路大橋を見る。2つの橋の間の距離は570mくらい。

同じ位置から、今度は西側を向く。現在国道19号線として使われている新山清路橋が見える。
旧橋からの直線距離は約250m。

新山清路橋は1965年4月23日起工、1966年3月28日に竣工した長さ100m、1スパンのアーチ橋だ。
旧橋は川の幅が狭い部分に架けられており、道路とほぼ直角になっているので、トレーラーなど車両の大型化に伴い交通のネックとなっていたので改築工事が計画された。
山清路の風景に合ったもので、旧山清路橋自体が名所となっているのでそのデザインと似た形に設計されたという。

国道に出た。道路の北側に石碑が4つ並んでいる。左の「開田記念」とあるのは、この周辺の5地区に総面積50町歩(約50ヘクタール)の水田を拓いたこと記念して1948年に立てられたもの。その隣は、1967年に国道19号の改良舗装を記念して建てられた石碑だった。1960年代半ば頃までは砂利道だったらしい。

新山清路橋の近くにトイレがあり、その脇に階段がある。展望台に行くにはここを登る。

ちなみに、展望台がどんなところにあるのか、ストリートビューでよく見えるので引用するが、この岩の上の建物だ。高いところが苦手な私としては、あまり気が進まない。(でも登る)

登り始めてすぐ、目の前に見える新山清路橋を撮影。

2~3分で展望台に到着した。展望台の手摺りにパネルが設置されている。パネルの向こうに見えるのが国道19号。その左側の黒い岩が「猿飛び岩」の一部。
平気そうな顔して撮影しているが、手摺りに触れる位置までは踏み出せない私なのだ。

展望台から上にさらに散策路が続いている。これを登ると途中から国道に降りることが出来るので、続きを登ることにした。
ここから山清路橋も見える。

(つづく)

【参考】
「道路の改良」1934年7月号(道路改良会)
「道路建設」1966年12月号(日本道路建設業協会)

土木建造物

Posted by Sakyo K.