龍ケ池揚水機場

龍ケ池(たつがいけ)揚水場は、砂山池揚水機場から700mほど南(南南西)にある。
夕方になり辺りが薄暗くなってきた。急がないと。

まず目に付いたのが、「世界かんがい施設遺産登録 龍ケ池揚水機場」という幟と垂れ幕だ。2024年(令和6)9月3日に世界かんがい施設遺産に龍ケ池揚水機場が登録された。

すぐ横には駐車できる空き地があり、建物が見えた。

建物に近づくと、砂山池揚水機場と同様に石組みの池があった。
ただ砂山池は3.6m×29mと細長い形だったが、龍ケ池の方は地表部で16.4m×16.4mの正方形の石積みだ(水面部分では4.5m×4.5m)。

周囲を歩きながら、井戸を覗き込む。

建物の近くに説明板が立てられていて、このような図が載っている。主屋がボイラー室で、一段下がったところにポンプ室が建っている。
池の部分の石垣は下に行くに従って狭くなっていき、最下部は石垣ではなく鉄骨か何かを組んであるように見える。

2023年9月の豊郷町議会で龍ケ池のことが話題になった。
その中で、〝下部の杭が朽ち果てて石が落ちてきているというのが問題〟だという発言があった。
この時点では、町の方針としては「龍ケ池をどのように整備するかの最終決定はあくまでも石畑区で行なっていただく」というものだった。費用の問題もあり、改修方法を検討していたようである。

ネット上で見られる新しい記事は、2025年5月19日付の中日新聞だ。
会員記事なので冒頭しか確認できていないが、2020年に電動ポンプが壊れ、修理されていないということである。(記事の後半でその事情を説明しているようなのだが…読めない…。)

その後何か進展があったのか私は把握できていないので、改修についてはこれ以上書くことができない。

建物の横には、蒸気ボイラー時代に使われていた煙突の基部が残っている。

ポンプ室からコンクリートの水路がこちらに向い、そこから左右に水路が延びていく。
手前にある白い箱にもポンプが入っているようだ。時期は分からないが後で追加されたものなのだろう。もしかしたらこちらのポンプは使えるのかもしれない。

水路部分。

末尾に記載したリンク先・滋賀県文化財保護協会の記事に、竣工当時の古写真が掲載されている。それ見ると、竣工時はコンクリート水路ではなくパイプで水を引いていた。現在の砂山池揚水機場と同じような形だ。
その写真には基部から伸びた煙突も写っている。煙突の高さは約15mあったそうだ。

手前のポンプ室(「龍ケ池」の銘板が付いている)は、古写真と比べると屋根の位置が高くなっているように見える。コンクリートの基礎も追加されているので改修されたようだ。水路をコンクリートに作り替えた時に改修したのだろうか。
後ろのボイラー室は壁や窓が変更されている。

2024年に世界かんがい施設遺産に登録されたので今後補修はされるのだろうと思うが、現役の施設として使い続けることができれば一番良いと思う。

それから、龍ケ池と砂山池はセットでかんがい施設遺産に登録してもよいような気がするんだけど、どうなのかなあ? 土木学会は推奨遺産としてセットで掲載しているよ。
(1910年のポンプ試運転は、龍ケ池が1週間早い。)

【参考】
 「砂山池・龍ケ池揚水機場」(土木学会選奨土木遺産/土木学会)
 「世界かんがい施設遺産」(農林水産省ウェブサイト)
 「滋賀県初の世界かんがい遺産『龍ケ池揚水機場』 かさむ修理費、活用の道筋は?」(中日新聞/2025-05-19)
 「新近江名所圖會 第428回 干ばつとの闘い―龍ケ池揚水機場―」(滋賀県文化財保護協会/2025-08-28)

土木建造物

Posted by Sakyo K.