修学院離宮 訪問記(1)

2021-03-20

7月末のことになりますが、京都の修学院離宮を訪れました。
見学に当たっては、事前に申し込む方法(郵送・ネット・窓口)と、当日申し込みとがあります。今回はネットで事前に申し込みをしました。希望日時ごとの申し込みですが、人数が多い時は抽選になるようです。希望日時で許可をされると、数日後メールで許可番号等が送られてきます。
ただ、時間に遅れると参観を断られることもあるそうです。

正門前。予定より早く着いたので、ここでしばらく待ちます。

当日受付もありましたが、13:30~と、15:00~の2回しかないようです(人数制限あり)。やはり事前申し込みが良いみたいです。
なお、修学院離宮の参観は無料です。

修学院離宮は、後水尾上皇の指示により江戸幕府が1655年(明暦元年)から造営を始め、1659年(万治2年)頃完成したものだそうです。「上離宮」「中離宮」「下離宮」の3つの離宮(御茶屋)があるのですが、中離宮は上皇の皇女・光子(てるこ)内親王のために建てられたものでした。中離宮は後水尾上皇が亡くなったあと林丘寺となります。上離宮と下離宮は上皇の死後はあまり手入れもされていなかったようですが、文政年間に光格上皇行幸に際して大きく補修されました。

上離宮・下離宮は1884年(明治17年)宮内省の所管となり、中離宮は1885年(明治18年)に所有していた林丘寺が宮内省に「返還」して離宮に編入されました。
3つの離宮の間には田畑が広がっています。

時間になりました。受付で許可番号を提示(印刷でも、メールの提示でも可)し、身分証明書を提示します。参観者休憩所で待機し解説の映像を見てから、職員の方の案内でグループで徒歩見学します。

【下離宮】

参観者休所から一番近い下離宮から見学です。下離宮の入口に当たる「御幸門(みゆきもん)」から入ります。

続いて中門をくぐります。中門の屋根をアップで撮影。

その先には庭園がありました。面白かったのはこの灯篭。庭園内にある灯篭は様々な形をしているのですが、これは「袖形灯篭」といいます。「鰐口形」という呼び方もあるそうです。

寿月観(じゅげつかん)
創建時には、下離宮には「彎曲閣(わんきょくかく)」という、離宮内で一番大きな建物があったようですが、比較的早い時期に失われてしまいました。
現在下離宮にある建物はこの「寿月観」のみで、1824年(文政7年)に元の通りに再建されたものです。

この角度が好きですね。

建物の横を通り抜け、東門から抜けます。これは東門を出てから、扉の表側をアップで撮影。

外側にはこんな風景が広がっていました。ここの田畑は昭和39年(1964年)に宮内庁が買い上げたもので、契約した地元の農家が耕作をしているそうです。
田畑も離宮の敷地となっているので、修学院離宮の総面積は54万5千㎡になるとのことです。

中離宮へ向かう道。松は明治天皇の行幸に備えて通路を整備した時に植えられたもの。もともとは畔道だったものを馬車が通れるように整備したらしいですが、木が伸びたので今では人が通れるだけです。写真は自分が歩いてきた道を振り返って撮影。

【余談】

昭和10年に出版された「文墨余談」(市島謙吉著)に「修学院離宮拝観の記」という文を見つけました(国立国会図書館デジタルコレクション)。当時は参観にあたって服装の規定もあったみたいですね。
「此苑の拝観には煩らはしい手続があり、服装にまで厳かな規定があるが、それ等の事はすべて省略して、直ちに苑の大略を叙すると」と、著者もちょっとうんざりしてる雰囲気を感じましたが、省略されちゃったので具体的な規定は不明です。

このままではスッキリしないので、もう少し探し、「拝観録:御府・正倉院・宮城・御苑・離宮・其他」というちょっと長いタイトルの、宮内省大臣官房総務課から昭和8年に出された本を見つけました。
原文の旧字体を置き換え、カタカナをひらがなに変えて引用します。

「修学院、桂離宮拝観資格
奏任待遇以上、従六位、勲六等以上、有爵者、貴衆両院議員、学位を有する者並びに以上父母妻子。
一般団体拝観は許可せざれ共 美術、建築、庭園等を専攻する各種専門学校以上の最上級生徒(各帝大工科、東京工大建築科、早大建築科、美術学校等)には特に許可せらる。」

その他手続きについては御所の拝観の所を参照しろ、とあったので、拾い読みしたら、役職の規定とかが羅列されていてくじけてしまいました。
一応服装の所だけ見つけたので書いておきます。(現代表記に直して引用)

「10.拝観者の服装
 男子は「フロックコート」「モーニングコート」制服あるものはその制服または紋付き羽織袴 女子はこれに相当するもの。ただし、男子は洋服または羽織袴、女子は不敬に渉らざる服装にて許可することを得る。」

だそうです。昭和初期でこれですか。面倒くさそうですねえ。

余談の方が長くなってしまうのでこのへんにして、次回は訪問記のつづきに戻します。
(その2につづく)

(参考:修学院離宮パンフレット ほか)

文化財

Posted by Sakyo K.