カトリック清水教会訪問
カトリック清水教会が解体される予定だという話は聞いていた。
しかし、ツイッターで「カトリック清水教会が10月末に閉鎖されることになった」ということを知ったのは、10月も残り数日になった時点である。
一度見ておきたいと思っていたのに,ここで閉鎖となったらもう二度と見ることができないかもしれない。そう思って,10月のうちに行くことにした。
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以前ポップアップカードを作ったので,写真では何度も見ていたが,実際に建物を見るのは初めてである。
玄関には貼り紙が。
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「緊急のお知らせ
現聖堂は老朽化が激しいため,9月29日付教区決定通知を受けて,使用禁止となります。安全を第一に考え,清水教会委員会としては下記の通り,聖堂の使用禁止及び閉鎖を実行します。大変残念ですが,ご了承くださいますよう、謹んでお願い申し上げます。
(後略)」
カトリック清水教会 教会委員会の名前で通知が出されていた。
靴を脱ぎ、ドアを開けて中に入ると,集会の最中である。
これは私が入ってもいいものか不安に思い、建物を見に来たことを伝えると、よかったら集会の方も聴いていってください、というので一緒に座って話を聞くことになった。
この聖堂を今後どうすれば保存していけるかという話であった。
写真撮影もしてよいとのことだったので、集会が終ってから撮影をした。
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窓には色ガラスが入っているが,窓ごとに色が違っているのが変化があって良い。
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オートで撮影すると光で窓が白っぽく写ってしまうが、実際にはこんな感じに色がはっきりしている。
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これは出入口部分を内側から撮影したもの。玄関の上部は小部屋になっていて,ここは聖歌隊席らしい。出入り口の左に見える階段から上がれるようになっている。
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二階には梯子が二本あって、ここからさらに鐘楼に登れるようになっている。紐は鐘につながっているのだろう。
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二階から聖堂内を見下ろした様子。正面が祭壇。会衆席の身廊部分は畳敷きで、側廊部分が板張りとなっている。
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柱と畳の関係が興味深い。
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実際には畳は,柱に沿って黄色い線の形に作られているようだ。
聖堂内にカトリック横浜司教区からの通知が掲示されていた。
日本のカトリック教会は16の教区(司教区)がおかれており、横浜司教区が神奈川県・静岡県・山梨県・長野県の教区を管轄している。
2020年8月付の通知書は,聖堂を建て替えることに決定したという通知。
そして、2021年9月付の文書は,今後聖堂を使用禁止とするという決定通知だった。
しかし現在も地域住民から保存を求める要望が続いており,信者の間でも意見が一致してはいないようである。
またこの聖堂は,1945年7月には空襲や艦砲射撃を免れ,負傷者の救護所にもなった。そういう歴史を語り継ぐためにも,建物を保存すべきだという声もある。
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窓ガラスのモダンな感じ,天井の淡い水色,そして床や窓枠などの木の色。私は今回初めて建物を見て,この聖堂の内部の雰囲気が好ましく感じられた。部外者なのであまり強いことは言えないが,残せるものならぜひ残して欲しいと思う。
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