京都市美術館訪問記(1)
京都市美術館が改装して2020年の5月に新たに開館し、通称が京都市京セラ美術館になった。
昨年は訪問できる雰囲気ではなかったので、行くことができなかったが、ぜひ見たいと思っていた「モダン建築の京都」が12月26日までなので、12月初旬に訪問した。
京都市美術館は,1933年に「大礼記念京都美術館」として開館した美術館だ。設計は前田健二郎が担当した。
以前撮った写真があるので、まずはそれを掲載しよう。
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これは2017年の7月に撮影したもの。このときはすでに再整備工事のため閉館していて中には入れなかった。右側は工事用のパネルで囲まれ、工事の計画や過去の展覧会の入場者ベスト10が書かれていた。
向かって左側には囲いは設置されていなかった。
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この正面部分を掘り下げて,地下に入り口を作るということだ。
地下室はもともとあったもので、竣工時(1933年)は下足室として,改修前は倉庫として使われていた。そこをエントランスに作り替える。
というわけで、今年の写真。
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かつての玄関前の地面が掘り下げられ,ガラス張りの壁面が作られた。この壁面は「ガラス・リボン」と名付けられた。地面は,右の奥を見ると分かるように斜面になっていて中央部分が低く作られている。
(以下は全て今年の写真なので年月を省略する。)
1枚目の写真と近い位置から見ると,こんな様子。この写真の下部(地下一階)の左右に入り口が開いている。
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中に入ると,ロッカーやチケット売り場があり、階段をあがると1階のホールに出る。このホールは今までは大陳列室として使われていたところだ。
次の写真は,ホール内を進んで振り返って撮影をした。写真下部の中央が入り口から上ってくる階段,左の螺旋階段と左右の2階通路は新設されたもの。
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展示室として使わないので,天窓から光を入れることができるようになったらしい。(といっても、美術館のサイトには2015年の会場写真があり、既に窓から光を入れているようなので,どう使っていたのか私はよく分からない。)
建物全体の形を見よう。2階の奥に談話室があり(次回触れる),そこに模型が置かれていたので,その写真を使う。
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改修で、左奥に新しい展示室「東山キューブ」が建設された。今回の「モダン建築の京都」の会場はここである。
ほかに、左右の両翼が回廊展示室となっており、中央ホールからそれぞれの展示室にアクセスするようになっている。東山キューブへは、ホールを奥へ進んで突き当たりを左折する。
左右両翼は、2階も展示室になっているようだ。(今回は入らなかったので中は見ていない。)
中庭が左右にあるが,今回南回廊の中庭に入ることができた。今までは空調機械が置かれていて入館者が入れるようにはなっていなかったそうだ。
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かつての正面玄関がどうなっているか気になるので,そちらも見に行った。
ここが玄関扉の内側。
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その先は,中央階段があり左右に別れている。
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階段を上り,天井を見上げる。
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階段を上がったところから、中央ホールの2階通路につながっている。
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では、二階の通路を奥へ歩いていこう。
(つづく)
【参考】
「京都近現代建築ものがたり」(倉方俊輔著・平凡社新書・2021年)
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