近代日本の洋風建築・栄華編(藤森照信 著)感想

(読書に熱中して製作が進まなかった…という言い訳でもあります)
私が近代建築のポップアップカードを作り出したのはもう15年前です。戦前までの実在した建築をモデルにするというスタイルですが、建築の知識はないので,作る前に建物についてあれこれ調べては製作をするという状態です。
素人なりにたくさん調べたとは思いますが,それはあくまでもそれぞれの建物についての個別の、バラバラな知識のままなのです。

もう少し,建築全体を見渡して、歴史や建築家について知りたいという欲も、出てきました。
以前も藤森さんの著書は読んだことがあるのですが,今年出た本、
「近代日本の洋風建築・栄華編」(2017年03月 筑摩書房)を見つけたので読みました。

おもしろかったです。
1980年代から1990年にかけて、あちこちに発表した文をまとめたものです。
自分の好きな感じの建築がたくさん出てきたのは,関東大震災後の復興建築について書かれた文章です。

「実は,明治以後一度だけ、日本にも,バラックの花咲いた時があったのである。大正十二年から昭和三年までのわずか五年のことであったが。」(同書p414)
関東大震災後に建てられた商店建築が出てくるのですが,これがまた好みなんですよ。並んだ写真を見て,いろいろ作りたくなってきます。

そして藤森さんが魅力ある建築の例として挙げているのが旧東洋キネマ。 リンクは以前私がつくったカードです。建物はもう解体されちゃいましたが。(ポップアップカードに東洋キネマを選んだのも,「失われた近代建築」を読んでのことなので、これも藤森さんつながりなのですが。)
こうして本を読んで,今までは建物のバラバラな知識だったのものが、歴史として少しずつつながりが見えてくるのが楽しいです。

あ〜おもしろかった。と本文を読み終わり,最後に「後記」を読みました。
藤森さんが建築の研究を始めたときの方法が書いてありました。
「 一、刊行されたすべての雑誌と本を読む。
  二,残っているすべての建築を見る。
  三,主要な建築家の遺族を訪れる。 」

最後にこれでやられました。
私がネットと図書館で「調べた」なんて,つまみ食いしてるだけで全然調べたうちに入らないじゃん。