冬の姫川橋
姫川橋は、2002年に土木遺産に選奨された中島武設計のRCローゼ桁橋の一つである。
長野県内には彼が設計した橋が5つ現存しており、私はそのうち4つを昨年訪問することができた。しかし姫川橋は当時メンテナンス工事中だったため渡ることができなかったのだ。
工事は12月で終わるとのことだったので、もう橋は通行できるはずだ。先日展覧会を見に小谷村に行ったので、姫川橋も確認することにした。
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下流側から撮影した。姫川橋のすぐ下流に姫川第三ダムがあるので、この水面はダム湖である。
橋が架けられたのは1937年のこと。
橋の設計者、中島武(1906-1980)は茨城県・岐阜県の道路技手を経て1933年に長野県に赴任した。1937年に新潟県に転出するまでに鉄筋コンクリートローゼ桁を7橋設計・架橋した。鋼材不足に対応するための鉄筋コンクリート橋である。
姫川橋もその一つだ。
竣工当時は右岸(今私がいる側)が中土村、左岸が南小谷村だった。(1958年に北小谷村・南小谷村・中土村が合併して小谷村が発足した。)
橋が架けられた道路についてだが、竣工時は府県道松本-糸魚川線だった。1952年施行の道路法で国道148号線の橋となったが、その後バイパスができてからは県道に移管された。
徒歩で橋を渡る。
想像はしていたけど、橋は雪に覆われている。橋の手前にある説明版も雪に埋もれて読むことができない。しかし土木遺産のプレートは見えていた。
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渡ろうとしたらちょうどバスが通った。
このバスは小谷村営バスで、行き先は南小谷駅と表示されていた。
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橋から上流側を見る。
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橋を渡った対岸にはスノーシェッドが設置されている。「川尻洞門」という名前だ。
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スノーシェッドを出て、上流側から姫川橋を見る。雪景色は良いのだが、寒いのでここで引き返すことにする。
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スノーシェッド内の交通標識。その奥の表示には「お願い 姫川橋徐行 大型車は一台ずつ通行してください 大町建設事務所」と書かれていた。
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スノーシェッドを出て右折すると橋に繋がっている。
橋の長さは92.3mで、幅員は5.5mだそうだ。
雪に隠れて見えない部分は、また次の機会に見ることにしよう。
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車に乗り、バスが走って行った道を進む。
中土駅前にバス停があるが、バス停も雪に埋もれていた。
道路の除雪はしっかりされているのがありがたい。
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中土駅も雪を被っているが、駅舎には問題なく入ることができる。この駅はJR西日本の管轄だ。(大糸線は、南小谷駅から糸魚川がJR西日本、南小谷駅から松本駅までがJR東日本の管轄。)
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前回駅舎の中を確認しなかったので、今回は中に入ってみた。
この写真だと右側のガラス窓が真っ白に写ってしまったが、色ガラスの他に模様ガラスも入っていて味わいがあった。
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次の写真の方が良く分かるだろう。
異なる模様のガラスが嵌め込まれていた。
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