旧岡谷市役所見学(1)
念願だった旧岡谷市役所庁舎の内部見学ができた。
11月1日と3日に岡谷市が「旧岡谷市役所庁舎の歴史にふれるワークショップ」を開催してくれたのだ。

ワークショップの内容は、庁舎内の見学と1階事務室の床の塗装をするというものだった。
喜んで参加申し込みをした。
旧岡谷市役所は1936年(昭和11)に竣工した鉄筋コンクリート造2階建ての庁舎である。
庁舎の建設の経緯については、以前の記事で書いたのでそちらをご覧いただきたい。(末尾にリンクあり)
当日は市庁舎についての資料を配付していたので頂いた。
旧市庁舎は2022年度(令和4年度)に劣化度調査を行ない、翌年度の実施設計業務を経て、2024年度(令和6年度)に耐震補強等の工事を実施したところだ。
1階に4ヶ所鉄筋コンクリート製耐震壁を設置したのだという。
では庁舎の中の様子を見ていこう。
玄関を入ると、正面には木造のカウンターがあり、その奥の広いスペースが事務室になっている。写真は入口を入って左(西側)を向いて撮影した。

ここは「公衆溜」と呼ばれた訪問者の待合スペースで、タイル貼りとなっている。
公衆溜からカウンターの奥を見ると、木製の床の事務室になっている。
写真中央の柱の右にあるドアは、電話室のドアだ。

今回のワークショップで塗装するのは、東側のこの部分。

壁の向こう側のスペースは、もとは市長室があったのだが、1965年(昭和40)に2階へ移動して、その後は東側も事務室として使ったそうだ。
写真中央の壁が耐震壁である。
塗装作業中はカメラを持たなかったので写真はない。
作業が終わってから庁舎内の見学である。
事務室のカウンター近くの床下にはこのようなものがある。

これはスチーム暖房のラジエーターだ。竣工当時は使っていたのだが、いつの頃か、机の配置替えをしてから使わなくなってしまったらしい。
もとは床下にあって見えなかったものだが、展示物として見せるために額縁を作ったようだ。
事務室内を少し北に移動すると、このような地下への入口があった。
ここは戦時中に作られた地下倉庫への入口だという。空襲で書類が焼失しないように作ったものだ。もともとは建物の北側の中庭に階段があったそうだが、後にこちらの階段から入るようになった。

地下倉庫の中にも入ることができた。後から設置されたスチール棚があるだけだ。倉庫の位置は庁舎の中央にあたる。

事務室で説明を聞いた後、みんなで場所を移動する。事務室の西側のドアを通り、北側に延びている付属棟に入った。
こちらの棟には西玄関や旧宿直室、旧食堂、物置などがある。
写真は、階段の途中から撮影した西玄関。
もともとは二階が市議会場になっていたので、議員は西玄関から入ったそうだ。

係の方の説明を聞きながらこうやって庁舎内を歩いていく。
北廊下にも耐震壁が設置された。廊下の奥の黄色の照明があるところの左右の壁がそれだ。
突き当たりが炊事室と食堂、右側が宿直室、左側が用務員室だった。

ここは用務員室だった部屋。和室だったものを耐震改修工事の際に洋室に変更した。

階段を上り、次は二階を見学する。

(次回につづく)
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