長野県信濃美術館~その2
9月16日の講演会で出た話題です。
(1) 建物は控えめに・入り口は分かりやすく
これは講演会の中で何回も触れられたことでした。
道路から見る美術館はこんな感じです。
入り口部分の屋根と階段は見えますが,手前に緑があり,一見したところでは建物があるのがわかりにくくなっています。中央の木々は築山に植えられているのですが,その後ろ(写真右側)には展示室の棟があります。
建物を控えめにするというのは、設計段階で林昌二さんが意識してやっていたことなんだそうです。建物に向かって歩いていく中で、だんだんに見えてくる景色の変化,過程を大事にしていたと。建物の中に入ったら,外からは想像しなかった広い空間が広がっている…という意外な展開を狙っていたらしいです。
(2) 善光寺を意識・建物の軸性
これは裏側から撮影した写真ですが,西側に善光寺があります。善光寺の参道が南北に通っているのですが,美術館の軸はそれと直交させ(厳密な直角ではないですが)、意識して善光寺の方を向いているそうです。
美術館の正面には円形の噴水がありますが、これは大正3年に完成したもので、美術館建設時にはすでにあったものです。噴水と美術館の軸を合わせたようです。
(3)地形を生かす
美術館のある城山公園は東に向かって上っている斜面になっています。
表から見ると階段を上がってロビーに入り,さらにその上の階に講堂があるのですが,二階の屋上と道路が同一平面になり,人が出入りできるテラスとなっています。
(4) HPシェル構造
中央の屋根はHPシェル構造というそうです。シェル構造というのは「薄い曲面板からなる構造」(wikipediaの引き写し)とのことで、形によっていろいろ呼び方があるらしく、HPシェルは双曲放物面とありましたが、何言ってるのか私には理解できてません。
「シドニーのオペラハウスもシェル構造だよ」とあったので,雰囲気だけで理解してます。
平面上でこんな図形をよく見ますが,これを三次元で作ったもの、という素人考えであってますかね? 違ってたらごめんなさい。
(つづく)
最近のコメント