「旧公衆衛生院」探訪

2021-03-20

東京庭園美術館を出て,地下鉄白金台駅の方へ向かいます。事前にちらっと見た情報で,近代医科学記念館があることを知ったので,見てみようと思っていたのです。

門柱には「東京大学医科学研究所」と記されています。ここを入ったところに記念館はあります。ところが。

なんと「昼の閉館時間」と入口に掲示があり,入れませんでした。

さてどうしようかと思い向かいを見ると写真の建物が。

下調べをしていなかったので、この時点ではまだ何も知りません。工事をしている様子だったので入れないのだろうと思い、道なりに奥へ歩いてみます。
奥の方にも、似た雰囲気の建物が現れました。現地の案内板によると、これが大学施設の1号館とのこと。奥は病院のようですし勝手に入るのもためらわれたので、写真だけ撮って戻りました。

地下鉄に乗ろうと思い駅の入口に向かうと,案内板が立っているのを見つけました。
「港区立郷土歴史館は11月オープン予定」とあります。

ああ、そのための工事なのかあ…と思いながら通り過ぎるところでしたが、そこに「建物のご見学は正面エントランスからお入りください」とあるではありませんか。「え?中見られるの?」ということで行ってみます。

正面に回ってきました。

玄関のところで撮影。

中に入って受付の方に「建物を見たいのですが」と伝えると,「ゆかしの杜」(この施設の現在の名称です)のパンフレットをいただきました。
この建物はもともとは昭和13年に竣工した公衆衛生院だったそうです。建築当初の姿を保存しつつ耐震補強やバリアフリー化を行い、港区の郷土資料館などの複合施設として活用するということです。郷土歴史館はまだ開いていないので入れませんが,エレベーターで6階まで上がって,階段を降りてくれば見やすいですよ、と教えていただきました。

入ってから分かったのですが,玄関エントランスは2階になっているのです。
奥に入って行くと,中央階段のところがホールになっています。この雰囲気,いいですねえ。気に入りました。

ホール部分は吹き抜けになっており,2階からは3階の天井が見えます。

ホールからは左右に廊下が続いています。この奥が郷土歴史館になる予定です。

エレベーターではもったいないので歩いて上りましょう。3階から下を見下ろします。

これは,5階から見下ろしたところ。

6階です。

下ります。再び3階の写真。

1階の床はこのようになっていました。

両翼の部分までは入りませんでしたが,雰囲気のよい建築です。

パンフレットによると,建物の中には郷土歴史館のほか、がん在宅緩和ケア支援センター、白金台区民協働スペース、白金台学童クラブ、子育て広場あっぴい白金台、みなと保育サポート白金台,乳児一時預かりあっぴい白金台の施設が入っているようです。あと駐輪場も。

公衆衛生院というのは、公衆衛生の改善と向上のため,公衆衛生に携わる技術者の養成・訓練を行ない,公衆衛生に関する調査研究をする機関として発足したとのこと。
発端は,関東大震災の災害地復興援助の一部として,アメリカのロックフェラー財団の援助により設立されたようです。建物の設計は内田祥三(うちだよしかず)です。
2007年に用途廃止となり閉鎖されました。一時は解体の噂もあったようですが,その後港区の所有となり,改築工事が行なわれました。郷土歴史館は今年の11月1日開館予定ということです。