日光東照宮の建築(前編)

2023-04-27

東照宮を見て歩きます。
鳥居をくぐって左側に,五重塔があります。最初に建てられた五重塔は火災で焼失したため、文政元年(1818)に再建されたものです。

拝観券を購入して、いざ。宝物館入館券も含めたセット買いしちゃいましたよ。2,100円。

受付を通って,石段を上がったところにあるのが表門です。

人が大勢歩いているので,建物だけを撮影するのは難しいかも。

表門をくぐると,倉が三つ並んでいます。右手前に「下神庫」、正面に「中神庫」その左が「上神庫」です。まとめて「三神庫(さんじんこ)」と呼ばれています。
上の写真で正面にあるのが上神庫で、右手に中神庫の屋根だけ少し写ってます。三神庫の中には,明日(10月17日)行われる「百物揃千人武者行列」で使われる馬具や装束が収められているそうです。
上神庫のすぐ左に見える建物は「鼓楼」、一番左の鳥居に重なって見える建物が「経蔵」、奥に屋根だけ見えているのが,「本地堂」です。

近寄って,建物だけ撮影。

「上神庫」です。ここに象の彫刻がありますが,狩野探幽が下絵を描いたものらしいです。

後ろを向きます。上神庫と向き合って建っているのが「神厩舎(しんきゅうしゃ)」です。猿が馬を守るといわれていたので、長押上に猿の彫刻が施されています。


猿の彫刻は8面あって,人の一生を表しているんだそうです。一部分だけ写しましたが,左が生まれた子供と母親。母親が遠くを見ているのは,我が子の将来を見ているとのこと。
中央が「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿です。幼いうちは純真で周囲の影響を受けやすいものだから,世の中の悪いことは見聞きせず。悪い言葉も使わせず、よいものを与えよ,という意味。
右側は一匹だけ座った猿。孤独に耐えつつも,これからの人生を考える姿、自立する前の姿らしい。
…といった意味の解説が掲示されていましたよ。

こちらは「経蔵」。お経を収めた蔵なので「経蔵」ですが、内部にある八角形の回転式書架(輪蔵)があるので、建物も輪蔵と表記している場合があります。

すでに書いた上神庫ですが、正面に回るとこういう形です。

そしてそこから向きを変え段を登ると,もう一段上に陽明門が建っています。

陽明門の右側,回廊の彫刻。

陽明門のアップ。彫刻や装飾がたくさん。

まあにぎやかなこと。

陽明門は寛永13年(1636)に徳川家光が「寛永の大造替」を行なった時に建てられたもので、霊獣や聖人賢人などの500体もの彫刻、彩色文様や錺金具(かざりかなぐ)で装飾されています。
2013年6月から最近まで修理が行われていて,平成29年の3月に完了したところです。今までも定期的に修復が行われていて,今回が21回目だそうです(前回の修復は1973年に完了)。
今回の修理では,上層の室内以外の、内外全面の塗装・彩色の塗り替え,錺金具の再生を中心に行ない,棟木や鬼板、瓦棒などで腐朽した部分を修理,蒔絵の剥落止めが行われたそうです。

陽明門をくぐって、左側にあるのが「神輿舎」。春と秋に行われる渡御祭に使われる神輿が三基収められています。

正面に見えるのは「唐門」で、その奥にあるのが「御本社」です。本殿・石の間・拝殿からなり、東照宮の最も重要なところとなります。

この奥は写真撮影はできません。中でお参りして再び外に出ます。

御本社のさらに奥に奥宮があるので、次はそちらへ向かいます。
(後編につづく)