三田演説館

東京建築祭2025で一般公開される建物に、慶應義塾大学の三田演説館が含まれているのを見て、この機会に是非中を見たいと思い、訪問した。

入館待ちの人が並んでいるので、人が写真に写り込まないように建物の上部だけ撮影。
外観はなまこ壁で和風に見えるが、内部は洋風である。擬洋風建築と言ってもいいのだろう。

1874年(明治7)、福沢諭吉は西洋のスピーチを取り入れて慶応義塾内に三田演説会を設立した。当初は会員だけによる弁論術の研究会だったが、世の啓蒙のためには演説の法を世間に普及させる必要があると考え、この演説館を建てることが決まった。

1875年5月に日本で初の演説会堂である三田演説館が開館した。演説は一般公開したそうだ。
建物は当初は別のところにあったものを、1923年(大正12)の関東大震災で損傷し、翌年現在の位置に移築したそうだ。

内部の写真も、人が写らないように上向きの写真を使う。
入ると正面に演壇があり、後ろには福沢諭吉演説像が飾られている。演壇の背後の壁は曲面になっており、音響的に優れているらしい。

演壇に立って記念写真を撮ろうという人たちが並んでいたので、そこを避けて撮影した。

入り口の上には額がかけられている。「日本演説ノ由来」とあり、福沢諭吉の演説についての考えと、実際に1874年6月に彼が演説した内容を載せている。(額が作られたのは1947年。)

二階の左右にギャラリーがあり、ここにも聴衆が上がれるようになっている。

会堂の中に並んでいる椅子。明治時代の写真を見たら、当時はこの椅子ではなく長椅子だったようだ。

演壇が空いた隙に横から撮影。

これは演壇の横にあるドア。左の赤い床が演壇。

建物の側面。

入り口の脇に石碑があるが、これは1947年に建てられたもの。石碑によると、建物が荒れていたのでこの時期に有志により修復が行なわれたとのこと。中にあった「日本演説ノ由来」の額もその時に設置されたのだろう。

三田演説館は1967年(昭和42)に国の重要文化財に指定された。

関東地方

Posted by Sakyo K.