パレスサイド・ビルディング
東京建築祭2025に行ってみた。
特にガイドツアーやイベントなどは申し込まなかったので、申し込み不要で自由に見学できるところを選んで回った。

皇居の北側にあるパレスサイド・ビルディングは、図面や建築中の写真等を展示しているというので行ってみた。
展示場所に行ったら係の方が屋上にも上がれるというので、まずは屋上から見学することにした。
屋上は、普段は平日に一般公開をしているそうだ。たぶん建築祭だから土日も公開したのだろう。
パレスサイド・ビルディングの形を単純に説明すると、直方体2つと円筒2つを組み合わせたものだ。

この2本の円筒部分にそれぞれエレベーターと階段とトイレが収まっている。
エレベーターホール。

この円筒を通って屋上に出た。

屋上から周囲を見渡す。
西側には国立近代美術館。現在やっているヒルマ・アフ・クリント展は見たいのだが、今回は時間がない。

南側には、皇居の平川門。

屋上の北側には毎日神社がある。
1939年に毎日新聞社の飛行機による世界一周飛行達成記念としてこの神社が創建されたそうだ。

神社の近くから西側を見ている。歩くところはコンクリートブロック敷きで、芝生の部分もある。
樹脂の床の部分(後で取り付けられたもの)も一部あった。あちこちにベンチが並んでいる。

他の人が写ってしまうので一部分だけ載せたが、こんな形をした展望台案内板が二基設置されていた。1.5kmごとに半円で距離を区切り、どの方向に何があるのか、小さなプレートを貼り付けて示してある。

ビルの東西両端にはレンガ積みの部分があった。
このレンガ壁は地上から屋上まで繋がっている。

その後、建物の中に入って展示を見た。
説明によると、直方体のビルが長さ約150mで、円筒コアは高さ50mあるそうだ。
竣工したのは1966年9月、設計は日建設計:林昌二チームだ。
1999年に、DOCOMOMOが日本の代表的な「モダニズム建築20選」の一つに選出した。20選の中では戦後のオフィスビルとして唯一のもので、「日本の近代建築を象徴しうるもの」「装飾で建物を美しく飾るのではなく、線や平面、円筒などの組み合わせによって美しいビルができる」と選定理由に述べられている。
竣工当時の写真を見たが、南側の道路の幅が狭く、建物正面の敷地が現在よりも広かった。中央の正面玄関には車寄せと大きな庇があったが、道路拡幅のため撤去された。
近くから見上げた外壁。厚さ15mm、3.2m×2.4mのガラスが並び、日除けのルーバーが取り付けられている。縦向きに並んでいるのは雨樋だ。

パンフレットによると、エレベーターホールの他、東玄関の幅6mの大理石階段、西玄関の大庇、1階と地下1階をつなぐ階段など見どころはいろいろあるらしいが、パンフレットを見ずに歩き回ってしまったので、見逃したことを後になって知った。
まあ、近々国立近代美術館に行きたいと思っているので、また見る機会はあるだろう。
パレスサイド・ビルディングは、今まで前を歩いたことはあったが建物の中に入るのは初めてだった。東京建築祭のお陰で知ることができた。
さて。2025年4月、毎日新聞がこのビルの再開発計画を提案するよう、不動産会社に打診しているという記事が出た(ブルームバーグ)。まだ検討段階で、見送られる可能性もあるそうなので、どうなるか分からないけれど。
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