八ヶ岳美術館

11月末に八ヶ岳美術館(長野県諏訪郡原村)を訪れた。
9月20日から12月7日まで開催されている企画展を見ようと思ったのだ。
(この記事が読まれる頃には終了している。)

前回この美術館を訪れたのは確か去年の5月だった。春から夏に訪れると建物が木々の緑に隠れて全体が見えにくかったが、この季節だと葉が少なくて建物が見えるようになっていた。

企画展の「生活と遺影」が良かった。
村山写真室(写真家・村山理世の活動名)による「物の遺影」シリーズは、依頼された家族の遺品や、大切にしていたものの手放すことになった品を撮影したものだった。

写真自体はハガキサイズくらいで、大きなものではない。それらが壁に展示されているのだが、キャプションは付けられていない。

会場にこのような文庫本が置かれていて、見る人はこれを手に取って読みながら写真を見て歩くのだ。

壁のキャプションは、読みづらくて素通りしてしまうこともあるのだが、この方法だと自分の手元で読めるのでとても読みやすかった。
これは老眼の私にとってはありがたい方法だ。作品の前で本を開いて読むという経験もちょっと変わっていて面白かった。

美術館を訪れたのが遅かったので、外へ出る頃にはあたりは薄暗くなっていた。

この美術館は何回か訪れているが、このような夕暮れの美術館を見るのは初めてだったので、これも興味深いものだった。

八ヶ岳美術館は村野藤吾の設計で1979年に竣工した建物である。