ポップアップカード:東京の、失われた建物
ポップアップカードを更新した。
昨日記事にした旧東洋キネマの他、旧日本基督教団芝教会、旧相互無尽会社(神保町ビル別館)の3点を更新した。どれも、すでに解体されてしまった建物たちである。
写真は、芝教会の旧教会堂。
今回はこの型紙がダウンロードできるので、よろしかったらお使いください。
【2024.06.12追記】
型紙ダウンロードは終了しました。
メインサイトの方でも少しだけ触れているが、ポップアップカードにした芝教会の旧教会堂は、都道環状第2号線周辺の再開発のため、2016年に解体された。2020年に新しい教会堂が完成して現在はそちらで活動をしている。
解体された建物は1936年の建設だった。2015年当時は、日本建築学会関東支部から保存の要望が出されていた。要望書によると、ステンドグラスや照明器具、玄関扉などの木製建具、説教壇や会衆用座席なのを細部の装飾など、意匠的・技術的価値が高いものだったという。
芝教会の歴史を見ると、この聖堂の前に1922年(大正11)に教会堂を新築しているのだが、竣工の翌年、関東大震災で焼失してしまったのだという。こちらは写真を見つけられなかった。
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もう一点は旧相互無尽会社。建物は「神保町ビル別館」と呼ばれていたが、いつごろからその名前が使われていたのかは分からなかった。
1930年(昭和5)に相互無尽会社のビルとして建てられた。
1951年に相互銀行法が施行され、相互無尽会社は第一相互銀行に転換、さらに1989年には太平洋銀行となった。しかし1996年に太平洋銀行が破綻し、営業譲渡した わかしお銀行が後に三井住友銀行となったので、2003年以降は三井住友銀行の所有だったことになる。
その後の経緯はよく分からなかったが、近年は日本タイ協会事務所が2018年頃まで入っていたという。
2019年に不動産会社が建物を購入し、再開発のため2020年に解体された。周辺の土地を合わせて、新しいビルを建てるらしい。
解体前には地元からは保存の要望もあり、区も建物の部分保存などを要望していたという。ネット上でも解体を惜しむ声が上がっていた。
ポップアップカードは、玄関の上のレリーフや、窓周辺の飾りなど立体的に作ろうかと思ったのだが、結局別パーツを貼り付けて立体的だということにしてしまった。ちょっと物足りなかったな。
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大晦日の慌ただしい更新となりました。
本年も一年間ありがとうございました。
今回つくったカードで、日本の近代建築シリーズのポップアップカードは450種類となりました。
来年も引き続きご覧いただければ幸いです。
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