小山敬三美術館

5年ぶりに、小諸市にある小山敬三美術館を訪れた。
前回は村野藤吾が設計したことを知らずに訪問したので、あまり建物の写真を撮らなかった。
今回は建物の写真を多めに撮ろうと思う。

美術館では現在、新規収蔵作品展を行なっている。(2025年4月5日〜10月19日)

ここは美術館の正面(南側)の広場。まだ木々に葉が茂っていないので、建物の形が分かりやすい。
右端が入口だ。

この美術館は、小山敬三自身が作品と建物を小諸市に寄付して開館したものだそうだ。
今年で開館50年を迎える。
現在収蔵作品は250点余、スケッチを含めると1000点近くになるという。

壁面に「作品接写はできないが、室内・作品解説は撮影可能」とあったので、展示室内の写真を撮らせてもらう。

こちらは第一展示室。
この展示室は床がスロープになっている。徒歩ならいいが車椅子にとっては少し不便ではないかと心配する。

こちらは第二展示室。展示室の奥から、入口側を撮影した。少しカーブした廊下の向こうにラウンジがある。
第二展示室は後から増築したものだそうだ。

建物の周囲を歩いてみる。
これは第一展示室の外側の壁面。

第一展示室を北側から見た所。

第一展示室と第二展示室の間。

第二展示室の脇を歩いて建物の正面側に戻る。
このあたりは建物の横が急斜面になっている。小道は狭いが、建物の裾が広がっているので歩くスペースは確保されている。

ここは、第二展示室に繋がる廊下の部分。廊下もゆるやかにカーブしている。

眼下に千曲川が見える。

歩いてきた道を振り返ったところ。手前の壁も湾曲している。
このように全体的に曲面を使った建物だった。

最後に、美術館の建物の変遷を書いておこう。
美術館が竣工したのが1975年。
竣工当時の床面積は196.8㎡だった。(現在は264.74㎡。)

村野藤吾没後5年の1989年に第二展示室が増築された。設計は村野・森建築事務所が行なった。
さらに1999年にラウンジ(休憩室)が増築された。こちらの設計は小諸市だ。
2002年には小山敬三記念館(アトリエ)が開館した。
そして2007年には平屋建ての収蔵庫(62.63㎡)が建設された。

竣工当時の図面を見たが、収蔵庫が狭すぎる。物置じゃないんだからさあ…と言いたくなるくらい。新たに収蔵庫が建設されて本当によかった。
村野の設計した美術館はほかに八ヶ岳美術館を見たことがあるが、あちらも収蔵庫が狭いと思う。
同じように増築すればいいのに。

【関連記事】
小山敬三美術館〜村野藤吾の設計」(2020-01-19)

甲信越地方

Posted by Sakyo K.