水害3年目~長野市長沼(2)
長沼支所から100mほど西へ進むと、この建物があった。
門のところに「途中まで入れます」と表示があったので、中へ入ってみた。入ってすぐ左側の壁に説明板が掲示されていた。
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それによると、これは米沢邸の長屋門。米沢家は江戸時代に名主を務めた家だという。この長屋門は1893年(明治26)年の建築で、奥にある主屋は1818年(文政元)の創建らしい。
善光寺地震(1847)や長沼地震(1941)に耐え、十数回の洪水を経験してきた建物だということだ。
「一般社団法人しなの長沼・お屋敷保存会」(2021年設立)が修復再建を行なっている。会設立前の2020年から活動していて、ワークショップで土壁の修復を行なってきたそうだ。
奥には主屋があったが、まだ作業の途中のようだ。
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お屋敷保存会のサイトで、写真や建物の解説を見ることができる。
南側からみた米沢邸。
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米沢邸から数十メートル南に進むと、この建物があった。案内表示を見ると、吉祥庵という玅笑寺の末寺にあたるお堂のようだ。まだ補修はされずビニールで覆われている。
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長沼城の説明板も一緒に掲示されていて、この区域は長沼城があった頃(16世紀後半~17世紀後半頃?)は武家屋敷だったらしい。
そこから南に500mほど進んだところ、穂保研修センターがある。
ここの電柱には水害時の浸水予測が表示されていた。
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「5.0m以上 想定浸水深・この場所は千曲川がはん濫すると最大10.0m浸水する可能性があります 長野市/千曲川河川事務所」
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ストリートビューを見ると、2014年撮影の画像ではこの表示はないようなので、水害後に取り付けられたのだろう。
長沼地区やその北の豊野地区では地価の値下がりが大きいらしい。土地を購入しようという人が、水害の被害があったことを聞いて契約を断ることもあったという。
地元の信越放送のニュースをネットで見たが、その中で長沼地区区長会長がこう語っていた。
「空き地が増えた。」
「あの日のことをあの災害の事実を風化させてはいけないと思います、我々には語り継ぎ次の世代へとつないでいく使命があるのではないか」
「ここに住む人口を増やすことはおそらくできない。外部との関わりをどうしていくか模索している。次の世代に向けていま出来ることを考えていきたい」
(信越放送10月13日より)
最後の写真は、長沼支所から2.6kmほど北側の、国道117号沿いにあるショッピングモール。2023年の開店を目指して改修工事が行なわれていている。
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地域が活気づくことを期待したい。
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