旧山一林組事務所(2)
以前外観だけ見学した岡谷市の旧山一林組事務所。
改めて内部を見学しに訪れた。

山一林組は1879年(明治12)に林瀬平が創業した製糸会社で、この事務所は1921年(大正10)に建てられたものだ。
では、中に入ろう。

玄関ホールに入って右を向いたところ。ここで靴を脱いで中に入る。
左側のガラス窓が事務室だ。営業当時の来客の多くは、このカウンター越しに用事を済ませたのだろう。
突き当たりのドアの奥にも部屋がある。もとは応接室だったのかな。現在はショールームとして使われている。

建物の見学に来たことを伝えると、係の方が案内してくださった。
事務室のカウンターを別角度から撮影。
現在は事務室の奥には織り機が置かれ、絹織物の体験や研修等で使われている。

カウンターの持ち送り。カウンターは欅だという。
ガラス窓の部分には開閉できる小窓がある。

ここが事務室の内部。機織り体験のチラシが掲示されていた。

事務室を出ると、階段がある。
階段の横を歩いていくと、右側にはショールーム、突き当たりにはトイレがある。

二階に上った。二階の東側は講堂がある。現在は講堂にも織り機が並んでいる。
講堂の天井は漆喰で装飾されている。

講堂の東側にある演台は建物が建てられた当時のもの。後ろに窓があると演台を使う時に少し不便だと思うが、たぶんカーテンを閉めていたのだろう。

ここは二階の和室。

こちらは洋室。二階には洋室が2室と和室が2室ある。
洋室は、もとは重役室と貴賓室だった。

これも洋室の内部。壁は腰部が板貼り。

これは建物の西側から撮影。左手前にあるのはトイレだ。

山一林組は戦後はミハト製糸、その後は精密業に転業して信栄工業となったが、この建物は事務所として1972年(昭和47)まで使われ続けてきた。
2003年(平成15)に、信栄工業から岡谷市に譲渡され、2005年に登録有形文化財として登録された。
そして2007年には経済産業省から近代化産業遺産として認定された。
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