富山空襲で失われた建物を探す(2)

2022-05-21

(前回の続き)富山空襲で焼失してしまった建物たちです。

※市役所竣工年に追記しました(2018/3/18)
※文末に昭和会館について追記(2022/3/26)

※文末に昭和会館について再追記(2022/5/21)

(6) 富山市立図書館 大正元年竣工。12月7日竣工式。竣工式で市長が「設計は辰野工学博士に嘱託し…」と言っているので、辰野金吾の設計です。昭和9年には県立図書館と合併し、この建物が県立図書館本館となりました。
写真 「富山市史.第2編」(大正3年 富山市)より

(7) 富山市立神通病院 大正7年竣工。明治32年設立の「富山傳染病院」が前身。大正7年の移転改築時に神通病院と名称を変更したとのこと。
写真 「衛生要覧」(昭和15年 富山市衛生課 編)より

(8) 富山市役所 大正10年4月10日新築落成式。
写真 「とやま1934」(昭和9年、富山商工会議所)より

(9) 富山商工会議所 大正11年竣工。
写真 「とやま1934」(昭和9年、富山商工会議所)より

(10) 昭和会館 未調査:昭和9年前後か。吉田初三郎が描いた「富山県観光交通鳥瞰図」(昭和11年発行)でも、県庁の近くに描かれているのを見つけました。
写真 「紀元二千六百年紀念富山県産業組合史」(昭和15年 産業組合中央会富山県支会 編)より

とりあえず写真を見つけた10点のみ掲載しました。
まだ情報を見つけられない「昭和会館」が気になるんですけど。
国立国会図書館デジタルコレクションのインターネット公開部分だけ使ったので、図書館送信資料を見ればさらにいろいろ見つかるでしょう。また図書館等で調べる予定です。

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【追記】(2022.03.26)

(10)の昭和会館は、昭和11年の4月の竣工だと分かった。上に書いた「紀元二千六百年紀念富山県産業組合史」(昭和15年 産業組合中央会富山県支会 編)の中に記載があるのを見つけた。産業組合中央会富山県支会も、事務局を昭和会館に置いていた。各種産業団体の事務局が入る総合事務所として建てられたようだが、大ホール・ステージも備えた公会堂でもあった。

【追記】(2022.05.21)

さらに追記。航空写真を見ると、昭和会館は戦後も補修をされ使われていたのではないかと思われる。引き続き調査をしたい。

歴史・資料

Posted by Sakyo K.